お腹が冷えて痛い人や腸閉塞には大建中湯
大建中湯は乾姜や、人参や山椒が主成分となっている漢方薬です。お腹が冷えて痛む人や腹部膨満感のある人、身体を内側から温めたい人、体力を補いたい人に向いています。
また、腸閉塞を漢方で改善したい時の第一選択薬です。
特に消化管の手術後に投与すると、早期に離床できて入院期間を短縮できるというデータも報告されています。近年増えている下痢や便秘を繰り返す疾患に過敏性腸症候群があります。日本人の10人に1人くらいで症状があると言われています。検査をしても異常は見られないのに、腹痛や下痢や便秘などの便通異常を繰り返すので、何かと厄介な病気と言えるでしょう。この過敏性腸症候群の便秘型のタイプや、通常の下剤でも治療に難渋するケースに対しても大建中湯が有効なケースが多いです。そして最近の研究では、クローン病でも、効果が期待できるという研究発表が届いています。クローン病は10代後半から20歳代に発症することが多い、原因不明の腸の炎症性疾患で、国の難病に指定されています。下痢や発熱や体重減少などが起こり、寛解と再燃を繰り返すことが特徴の一つです。これらの不調に悩む人も、大建中湯で症状が緩和する可能性があります。